ITバンド症候群と呼ばれる腸脛靱帯症候群は、太ももの外側に広がる結合組織の鞘であるITバンドの、一般的な使いすぎによる損傷です。 ITバンドは股関節から膝下までありますが、ほとんどの場合、膝の外側に局所的な痛みが生じます。
ITバンド症候群の原因は?
ITバンド症候群は、通常、膝の屈伸を繰り返すこと(ランニングなど)で、ITバンドが外側大腿上顆(膝の外側骨突起)に擦り付けられることで起こります。
危険因子としては、
- 週当たりの走行距離が長い
- 下り坂を走る
- 土手のあるコースで過度に走る
- 大臀筋が弱い
ITバンド症候群の症状とは?
ITバンド症候群の症状としてよく見られるのは、
- 膝の外側に沿った痛み
- 軽い腫れ
- 膝をひねると痛い
- 時々腰に近い痛み
ITバンド症候群は、どのようにして診断するのでしょうか。
ITバンド症候群は通常、病歴と患者の臨床症状に基づいて診断されます。 ITバンドに沿って、特に膝の外側周辺に触診による圧痛があります。 外側半月板断裂と似ていますが、外側半月板断裂はITバンド症候群に比べかなり腫脹します。 さらに、ITバンド症候群では見られない、歩行の途中で「カチッ」と音がすることもあります。 そのため、外側の半月板断裂を除外し、ITバンド症候群の診断を確定するために、MRIをオーダーすることがあります。 まず、痛みを悪化させる活動(例えばランニング)を中止することです。 水泳など、同じ膝の痛みを引き起さない他の活動を試すことで、活動を継続することができます。 活動の修正に加えて、以下の治療法がITバンド症候群を改善する可能性があります。
- ストレッチ
- 必要に応じて非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンなど)
- アイス
- 理学療法
- 膝/太もも外側をフォームロール(フォームローラーではなくボールでも可)
上記の対処に加え、以下のような治療も考えられます。 コルチゾン注射は、炎症と痛みを軽減するのに役立つ場合があります。 ITバンドの外科的リリースは、ITバンド症候群を緩和することが示されており、前述の対策が試みられた後の実行可能な選択肢となります
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