目的: 末期腎不全患者に対する血液透析中の有酸素運動と筋力トレーニングの安全性と実施可能性を検討し、心体力、筋力、機能状態への影響を評価すること。
デザイン 末期腎臓病で血液透析を受けている患者22名を対象に、運動トレーニングの前後に、ストレステストや歩行テストによる心体力評価、膝伸展1回反復最大法による筋力評価、Medical Outcomes Study Short Form-36による機能状態の評価を実施した。 トレーニングは、サイクルエルゴメーター運動と膝伸展筋の強化を週2~3回、3ヶ月間、透析中に実施した。
結果 22名中18名が3ヶ月間のトレーニングを終了し、4名が膝痛や運動とは関係ない内科的合併症により脱落した。 また、本プログラムにより重大な合併症を発症した患者はいなかった。 トレーニング後,Short Form-36の精神的・身体的項目と膝伸展の1回最大反復運動で有意な改善が認められた。 18名中14名の患者が同意し、フォローアップの体力テストを完了した中で、5名がストレステストで、8名がウォークテストで改善を示した。
結論 血液透析中の運動プログラムは、適切な監督と患者教育により安全に実施することができ、筋力、精神・身体機能、そしておそらく心拍数を向上させることができる。