革命後のイラン人の移住と海外教育により、イラン人と非イラン人とのトランスナショナルな結婚が増加した。 これらの結婚に伴い、イラン人家族の社会階層、国籍、人種、民族、宗教、婿姑の文化など多様性が増している。 本稿では、イスラム教徒のイラン人男性とキリスト教徒のフィリピーナとのトランスナショナルな結婚について検討する。 イランでフィリピーナたちが直面する課題と、異なる宗教、文化、社会的期待の間で交渉することによって、これらの課題を克服する方法を探る。 時間をかけて社会的適応を図り、イラン社会に次第に溶け込んでいった。そして、自分たちの遺産を守り、母国文化をバイリンガルであるフィリピン人とイラン人の子どもたちに伝えるために、フィリピン人とイラン人のコミュニティを立ち上げたのである。 本論文は、フィリピーナたちの主体性を描き、トランスナショナルな結婚の中で感情的・社会的空間を主張する彼らの決意を浮き彫りにするものである
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